行政手続きにおける押印見直しの流れに伴い古物商申請届出書で押印が不要に

古物営業に関わる申請届出書類での押印が不要

警視庁のホームページに掲載されている古物営業に関わる申請届出様式一覧(古物商・古物市場主用)の各種様式から押印欄がなくなりました。

これは、昨年菅政権発足後、内閣府規制改革推進室が各省庁に出した「行政手続における書面主義、押印原則、対面主義の見直しについて」に基づき、警察庁が昨年6月に各都道府県警察等に発した「行政手続押印等の取扱いに係る緊急対応について(通達)」に対応したものです。

昨年12月に1件書換の申請を提出した際は、旧様式のままであったため、書換・変更申請書、略歴書、誓約書等へは押印が必須となってましたが、本年1月20日付更新により新規での許可申請書を含め押印欄がなくなりました。

押印不要の影響は?

政府の規制改革は、最終的にオンライン化、更にはデジタル化を目指すものと理解しておりますが、押印廃止だけは行政サイド、古物商側もそれほどメリットないのかと思います。
従来だと法人の場合、法人印を押す必要があり、また略歴書、宣誓書には役員の個人印を押してもらう必要がありました。コロナ禍でなかなか出社して法人印が押せなかった際も、今後は押印をもらうという手間がなくなり書類作成だけで済むため、その分の手間はなくなりメリットになるかと考えます。
また従来押印忘れがあった場合は、押し忘れ箇所に押印した上で再度警察にて申請をする必要がありましたが、今後は押印忘れの心配は不要になります。
但し、相変わらず書類一式を警察に持ち込む必要があり、事務手続きとしてはそれほど変わらないかと考えます。

一方で今回の古物営業での押印廃止は、先日投稿した車検証の変更登録における押印廃止による使用の本拠地変更や使用者名義変更に関するリスクといった明らかなデメリットもないように思われます。

古物営業を始める前に古物営業許可の取得を

古物営業法は、古物商または古物市場主でない者は、古物の売買や交換もしくは委託を受けて売買や交換をする営業し、または古物市場を経営する営業をしてはならないと規定しています。
違反の場合の罰則は、懲役3年以下または100万円以下の罰金もしくは併科です。

インターネットを使って簡単に古物(中古品)の販売、そして仕入れができる時代です。また本業ではなかったのがちょっとしたきっかけで中古品の販売を商いとして行うようなこともあるかと思います。
このように以前にも増して古物営業を始めるのに敷居が低くなっています。そのため古物営業の許可に関する意識も低くなっている場合、場合によっては意識もしない場合も増えているように思えます。
「まだ販売量、仕入れ量がすくないから古物商の営業許可はもっと後でいいや」と思っているのでしたら、明日にでも営業許可を取るように手続きを開始するようにしてください。

古物営業の申請届出書類作成は行政書士へ

新規で古物関連の営業許可を取得するためには、いくつもの書類を準備する必要があります。
勿論、古物商等になろうとする方(法人)が自力で準備することは可能ですが、相当な時間をかけて準備することになります。
本業で忙しい中、今回だけ必要となる書類作成のために準備、作成、そして警察に出頭して担当者とやりとりする経験は、本業にどれだけ役立つのでしょうか? そう考えると極めて非効率ではないでしょうか? 

昔から言われていますが、「餅は餅屋」。申請書類作成経験が豊富な行政書士に依頼することで、本業に傾注するのがあるべき時間の使い方ではないでしょうか。